ぴかぴか

Always believe in yourself.

愛にあふれるひと

 9月9日。土よう日。浅草。晴れ。

 ​​​にぎやかな街並みを歩いて。楽しみな気持ちに背中を押されながら、浅草九劇へ。アイレトロシアター シリーズ昭和33 -1958-「野良犬譚」を観ました。すっごくおもしろかったです。

 

 会場に入った瞬間から、もう、トリップした!圧倒的に昭和!整理番号が早かったので(取ってもらったチケット、2番と3番だった!天才!)じっくり観察する時間があって、最初に目に入ったのは電話だったかな〜。劇中でもジリジリジリジリ、これでもかっていうほど鳴っていた。思い込みが激しいタイプだから、編集長とか犯人からの電話のときだけ音にダークさがあるように聞こえた。受話器とるまで誰からかかってきているかわからないって、けっこう怖くないですか?あとは、机やソファ、扉などなど家具の傷みとか現像された写真とかそろばん(劇中ではたぶん一度ぱちりぱちり触っていたくらいで、お金のあんまり動いていない感が笑)とか。セットや小道具見ているだけでもわくわくして、相当おもしろかったです。

 個性強めの編集者たち。スムーズな掛け合いが気持ちよかった〜。まり子ちゃんのあだ名がりこちゃんなの、めっちゃ良い。ずっとりこちゃんだと思っていたら、まり子ちゃんだった。突然の「ま」に、真って書く「ま」感が出て(真っピンクとかの)、自分で「三浦まり子です!」って言ったときに強さとか迫力がめちゃくちゃ増していた。まってめっちゃ言ったけど伝わるかわからない(笑)編集長の登場音がめっちゃ怖くって、本人も怖いし、いっきに緊張した。けど、編集長、ひとりひとりのことメモ帳に書いてあるんですね?もしかして?って思ってるんですけど、岩渕さんに名前聞いたとき背広からメモ帳出して見てたよね?(あんまり自信がない、、)りこちゃんのことも最初からりこちゃん呼びだったし、ちゃんと隣に立ってくれようとしていたんだなぁって、でもこれは最後まで観たから言えることで、最初はほんっとに怖かったです(笑)そうして編集者たちにめちゃくちゃな記事を要求していく。

 ジャックナイフのヤクザさんがちょう強烈キャラクターでした。ずっと歌を歌っていた。歌といえば、春代さんも!あれ?宇佐美さん?って思った(格好がちがうなぁと思ったけれど)から、びっくりしていたんですけど、声質がまるっきりちがっていたので二役やられているとすぐわかりました。ほんとすごかった。春の小川、3番もあるのよって

春の小川はさらさら流る。
歌の上手よ、いとしき子ども、
声をそろえて小川の歌を
歌え歌えと、ささやく如く。

歌声や表情から、女性のたくましさを感じました。すてきだったなぁ。

 そうして9月から10月に。あっというまの一か月でした。

 雪子ちゃんの登場シーン、「やられた!!」って思った。すでに観劇した周りの人たちから聞いていた感想、かわいいとか初めてのはるかちゃんとか、多少想像していたイメージはあったけれど、それの何倍も色がすごかった。ひざ下のワンピースにカチューシャ。黒色の革靴(だったかな?)語尾には「うふっ♡」聞いて驚いちゃうと思うんですけど、ヌードモデルの役です!!すぐに扉の奥の会議室に入っていっちゃって、まちがえて扉開けちゃったときの「いやぁ〜もぉ〜」みたいなやりとり。完全に扉の奥を想像させていたし、声だけの演技もおもしろかった。

 雪子ちゃんの2シーン目は、赤色のノースリーブひざ上ワンピース、ポニーテール、ぎんぎらのネックレス、ヒール(だったかな?)(靴毎回自信がなくってごめんなさい)「泊めてくれないかしらぁ〜♡」「うふっ♡」って、大きなトランクを持ってきた。飲みに行こうって誘われて、飲めないみたいなこと言ってた(結局行った)けど、ちょっと待って!?お酒飲んでなくってそのぶっ飛び具合なんですか!?っていう。本気で笑った。基本的に、雪子ちゃんの出ているシーン、おもしろくってかわいくってずっと笑ってた。目が離せない存在。あとから聞いたんですけど、この回は「うふっ♡」をアドリブで増やしたらしいです。去り際に階段の上から伏見さんに向かって、絶妙の間で。客席がふわっとしたよね。4日目に入って、緊張をうまく楽しさに変えられているんだなぁと思いました。

 離れて暮らしている編集長の娘、弓子ちゃんがめちゃくちゃかわいい。し、編集長!!片桐さんから弓子ちゃんの名前出てきた瞬間、顔色変わって。弓子ちゃんからもらった誕生日プレゼントの湯呑み、お酒飲むのに使えなくて、ていねいに箱にしまったりね。あたたかさに涙が出そうでした。生きてるなぁって、この人、ちゃんと生きてるんだぁって、そりゃあ生きていたらいろいろあるだろうけれど、自分にとって大事なことって、そう簡単には消えないですよね。編集長の人間らしさに触れました。

 大塚さんと片桐さんのシーン。ここの大塚さん、すっごくすてき。「好きよ」って、え、いつのまに!?って思ってしまった。わたしも片桐さん好きなんですけど!?っていう(笑)でもそういえば、片桐さんが宇佐美さんと出て行ったときとか、大塚さんぼーっとしていたし(りこちゃんがどうしたの?って気づく、りこちゃんはめちゃくちゃ周りを見てる)、知らないうちに物語が展開していたの。これだから人間っておもしろい。

 で、いろいろあって(笑)、追っていた事件の犯人が会社に来ることになるの。電話のダーク音はここです。でも最初、犯人かと思ったら雪子ちゃんだった(笑)酔っ払って肩が出てる。まちがえて通報されかけちゃう、たしかに変な人なんだけど(笑)雪子ちゃんは芯の強い女の子だから、悪いことは絶対しない!!と思います。次に出てきた雪子ちゃん、真っ赤な大きいカーディガンと靴下だけで、かわいいって思っていたら、本物の犯人がやってきて、いきなり拳銃向けるからびっくりした。でも編集長の迫力に完敗。編集長は人のことをよく見ているから、どういう言葉や行動が最適かをゆっくり見きわめているのでした。すごい。

 でもね、編集長は、この一件のことを片桐さんのお手柄にした。次の新聞社で働くことが決まった片桐さんへ、編集長が用意した花道でした。次へ進んでいくことって、こんなにきらきらしているんだなぁって思いました。片桐さんのように、1からやり直したい、年齢年齢って言うなよって。何度でも書き直せって、それができるから、人間は。編集長、すごいよね。

 いろんなことが回収されて、ふわっふわっの雰囲気に、サプライズの弓子ちゃん登場。お父さん学芸会きてよって、何するの、歌だよって。春の小川、編集長に向けられた歌だったの、そんなのもう泣くしかないじゃないですか。ちゃんと編集長にも花道用意されていたんですよ。次に進んでいく姿、すっごくすっごく、きらきらしていました、編集長!!

 

 物語が進むにつれて、どうしようもなく、人物みんなと関わりたくなってしまって、わたしが(笑)もう、人ごととは到底思えないんですよ。好き。弓子ちゃんは、学芸会楽しかったかなぁ、とか、八重子さんは、明日からどんな色の着物を着るんだろう、とか、雪子ちゃん、怖い思いをしただろうけれど家に帰って今ごろ泣いていないかなぁとか。わからないから心配というよりも、そういう気持ちになることあるよね、わかるわかるって、いろんな感情を共有できた感じがして、すっごくうれしかったです。時代を越えて、今の自分の気持ちに太鼓判を押してもらえました。

 で、最後に、キャストのみなさんが出てきて、やっぱり眩しいくらい格好よかった。拍手を送れてよかった。はるかちゃんも、とてもきれいで、燦然とそこにいてくれました。ひとりひとり紙飛行機(昭和33年9月9日の新聞紙で折られたもの)を客席へ飛ばしてくれるんだけれど、ふわって笑って、こちらへ向けてくれて。でも取れなかったんだよ、わたし(笑)どれだけどんくさいんだっていう、、、仕方なさそうに笑顔を向けてくれたはるかちゃんに、ごめんねって思って(笑)ああでも、もしかしたら、勝手な想像にすぎないけれど、こんな感じだったのかなぁって思った。大切にしたいって思えるものが自分に向けられるの、わたしねえ、それだけでめっちゃくちゃうれしかったんだよ。はるかちゃんも、竹久雪子ちゃんっていう、キュートでちょっと飛んでてでも芯の強い、そんなすてきな女の子の役が自分に向けられたこと、紙飛行機のように飛んできたっていうわけじゃあないだろうけれど、うれしかっただろうなぁって。受け取って、ていねいに役を作ってきたことが伝わってきたからね。お疲れさまもありがとうもぜんぶ込められたたくさんの拍手のなかで、はるかちゃんは、そういう、愛にあふれる人の笑顔をしていました。これからも、はるかちゃんが笑っている世界がずっとずっとつづいていってほしいです。こんな大切な感情をくれてありがとう。

 

 にぎやかな街で、楽しみな気持ちに背中を押されながら、今、生きていること。めちゃくちゃ勇気付けられました。まだまだ時代は移ろいでゆき、こころは否応なく振動しつづけるだろうけど、何があっても、がんばれる気がする。大好きなみんなのおかげです。ありがとう。