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ぴかぴか

Always believe in yourself.

国語の先生の話/すぐに世界が揺れたの まだね世界は揺れてる

 国語の授業が好きだった。古文も漢文も好きだし、現代文も好き。知らない文章に出会うことは喜びだった。授業の前に先まわりして何回も読んでいたから、この一文に表れているの主人公の気持ちは?とか、もうぜんぜん関係ない域まで想像しては楽しくなっていた。教科書には一部分しか載っていないことが多いから、図書室で本になったものを探して読んだ。そうまでしたらもう授業あんまり関係ないじゃんっていう(笑)

 高校二年生の頃の現代文の先生は、教師になったばかりの若い女の先生だった。熱血?とまではいかないけれど、ちょっぴりあつくるしい感じ(笑)先生は、わたし(の解答)のことをけっこう気に入っていて、授業のことあるごとにわたしの意見を求めた。けどわたしは、人前で話すのがとびきりに下手だったから、先生の望むような返事はできないでいた。先生は「間違っていないよ」って毎回言ってくれていたけど。週に一度、クラスで決めたテーマについて小論文を書く課題が出された。先生が全員の文を添削してくれる。他の教科もたくさん課題があったし、結局は受験に向けての練習ってかんじだったから、めんどうくさいなって思ったこともあるけど、嫌いじゃなかった。授業のノートはとらないくせに、課題はやってた。根はまじめなんだよ〜(笑)ちゃんと毎月よう日に提出しては、すぐに返ってくる赤ペンだらけの原稿用紙にげんなりする反面、先生がちゃんと読んでくれていることがうれしかった。

 三年生になったらその課題はなくなっちゃった。それぞれ受験科目に沿ったものを勉強したり、模試を受けたり。現代文の先生は変わらず先生で、授業も相変わらず先生の大きな声は誰ひとりを眠らせるひまも与えなかった。ある授業のおわりに、みんなが小論文を書くならわたしが見るからと原稿用紙をどっさり教室の隅の棚へ置いていった。課題じゃないし強制じゃないけど、書きたいなと思った。しばらくしてやっと一つを書いて先生のところまで持って行ったら、「わたしが全部見るから、覚悟してね」って笑って言われて心底怖かった(笑)それからほんとうに何回も何回も先生のところへ通ってダメ出しをくらって話をしてまた書いてをくり返した。それと同時に、何回も何回も考えて、わたしは受験をしないことに決めていた。もうほんとうはずっと前から、なんなら小論文を書き始める前から決めていたんだけど、先生に言うのは遅くなっちゃった。いやでもよく考えたらふつうに担任とかと話せばわかることだし先生も知っていたんじゃないかなって思うんだけど。わたしがそれを言ったら、先生は、「間違っていないよ」って言ってくれたんだよ。他の子の添削もたくさんあって忙しいなか、あれだけ手をかけてくれた小論文だってけっきょくぜんぜん意味なくなっちゃったし(就職の試験ですこし文章を書く場面はあったけど)、先生怒るかもしれないなって思ったのに。ほっとしたし、自分が、こくこく時間をかけて考えて決めたことを、応援してもらえたのはうれしかった。もう関係ないのに懲りずに書いていた小論文を、先生もまだ見てくれていて。(ていうかたぶん先生はわたしの文がまあまあ好きだったはず!笑)最後に小論文を返してくれたときはもう卒業式も終わってしばらく日にちがたっていた。人よりなまけんぼ〜で、持って帰らなきゃいけない荷物がまだ山ほどあったから行っただけで、決して学校が好きだったわけじゃあないんだけど!!先生に、「卒業おめでとう!」って背中をばしばし叩かれた。痛すぎた、、(笑)

 あれからもう三年もたってる。

 脇田もなりちゃんのライブを見てきたんだよ。もなりちゃんもなりちゃん。ソロ活動を始めてから初めて、それも金沢で。なんて特別な日だったんだろうって思う、びっくりするくらい楽しかった。「IN THE CITY」「あのね、、、」他にも新しい曲。鮮やかに、自分の世界をステージにとんとん積み上げていくもなりちゃん。とくに「あのね、、、」が音源を聴いていたときから好きで、ライブの中盤、緊張が柔くとけてやっと気持ちが落ちついてきたころにイントロが流れはじめたの。やさしすぎるその歌い出しに涙が出た。もなりちゃんはにこにこ笑ってた。今、たった一人あなたとして、そこにいてもいいよって。この歌にわたしなんてぜんぜん関係ないのに、勝手にそんなふうに思ってしまった。みんなもそうかな、そうだったらいいな。いつまでもそばにあるものなんてないし、ずっとずっとなんて叶いっこないことを、もう知っている。すぐにあなたではいられなくなること。けどそれでいい。だからこそ、最後にまっすぐ伸びた「きっと」にはエネルギーがとくとく溢れていたし、自分がそうさせるよっていう決意?なのかな〜。目がまわるくらいに早すぎるこの世界の移ろいも、いつか、思い出としてなぞりながら歌ってくれるのなら、ゆっくりでもついていけたらいい。過去も今も未来のことも、すべてを掬い上げてくれたあの「あのね」のことを、わたしは、忘れないと思う。

 もなりちゃんに話してみたくなったことがあって、あのねって、いや、ぜんぜん意識したわけじゃあないんだけど!べつに秘密じゃないし!ほんとに!(笑)あのね〜、一年かけてまたみんなに会えたよって言って。実際には、ここ一か月ちょっとの話なんだけど。そうしたら、「そっかぁ、もなが最後?うひひ」って笑ってくれた。よかったなあって思った。みんなに出会えてほんとうにハッピーだな、わたし。ちょっと前までぜんぜん受け入れられないし応援できなかったくせにって感じだけど(笑)二月あたりのわたし子どもすぎでしょ!バカ!って叱りたいし、それから、いろいろ考えてそれでも好きだと思ってくれてありがと〜って思う。もうすぐにまた毎日めちゃくちゃ楽しくなるから!覚悟してね!!って言いたい。

 息をして、悩んで叫んで、かっこつけて、うなずいて、輝きつづけて。みんなが、自分で選んだ道を進んでいくこと。うれしすぎる。間違っていないよ。ていうか、どういうふうに決めたとしても間違いとかないし。応援する。まだね、世界は揺れてる。遅くなったけど、卒業おめでとう。背中叩いたりしないけど!(笑)とんって押せたらいいな。がんばれがんばれ。