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ぴかぴか

Always believe in yourself.

レッツラゴー

 家族内だけの決まりごとみたいなのがある。アイスを買うときはみんなの分も買うこと、ドライヤーを取ってほしいときは「ガー取って」って言うし、わさびはからし。からしもからし。決まりごとっていうか、たぶんうちだけで通じる、うちの当たり前。

 いちばんおかしいな〜と思うのが、車に乗って出かけるとき、運転席に座ったお父さんが「レッツラ〜」って言うから、それに続けて「ゴー」って言わないといけなかったこと。なるべくテンション高くね。言わないと、出発してもらえない。折り紙博物館のほかにもいろいろ連れて行ってもらった。映画館もプールもゲームセンターも、レッツラゴーの先にあった。当時はそれが普通のできごとで、たまに友だちの家の車に乗せてもらうことがあると、レッツラゴーがないから妙に落ち着かなかった。おかしいでしょ(笑)

 中学生くらいになると、車に乗ることが減った。最後のレッツラゴーは、高校の合格発表の日。 受かる気でいたけれど、誰かと見に行くのは嫌で、一人でこっそり行くつもりだった。通学用に買ってもらった自転車は、初めてのわたしだけの乗り物。それなのにその日お父さんはわざわざ仕事を休んでいた。変なのって思った。二人しか乗らないのに、わたしは後部座席に座った。お父さんが「レッツラ〜」って言って、わたしが「ゴー」って言った。聞こえたのか知らない。別に言わなくてもよかったけど、癖だからね。自分が行きたいなら、言わなきゃいけなかった。高校は合格してた。やっぱりねって思ったけど、行きたかった学校だから、うれしかった。

 高校生になったら、自転車でどこまでも行けたから、車に乗らなくなった。今ももうお父さんの運転する車に乗ることはないし、レッツラゴーなんてなくても、自分だけでどこへだって行ける。

 それでもわたしは、今でもなんとなく、レッツラゴーを思い出す日があるんだよ。う〜ん、ていうか、昔は行きたいからレッツラゴーを言っていたけど、今はレッツラゴーの先には楽しいことがあるって知ってる。レッツラゴーを言ってたどりついた場所で、楽しくなかったことなんてないし。だから、レッツラゴーに楽しみな気持ちを乗せているのかもな〜〜。自分が楽しいと思える場所に行けるかどうかは、自分でちゃんと決められる。レッツラゴーの先には道がつづいているし、じゃあいってらっしゃいかな。わたしはこれからも、レッツラゴーの先の未来を見ていきたい。

 

 家族のなかだけとか自分のなかだけの決まりごとみたいなのある?あったら教えて〜〜。

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